- 附属次世代蛋白質構造解析センターを中心に、大型機器などによる最新の構造解析技術の高度化と、共同利用課題を提供する。
- タンパク質の構造解析に用いるクライオ電子顕微鏡技術および固体NMRの物質科学・材料科学へ展開する。

生命科学分野の構造研究は「生命現象を機能分子である蛋白質やDNA、RNAの形をもとに理解する研究」として発展し、物質科学分野の構造研究は、「精緻な結晶構造を基礎とした高機能材料の開発や、高温超伝導物質などの構造・機能相関の研究に代表される構造物性研究」として多くの新素材開発に貢献してきました。本来、構造解析技術自体は研究分野を選ばないものであるにも関わらず、細分化した共同利用課題の選考手続きや、装置導入の経緯や経費元による制限から、物質科学と生命科学の構造研究は全く別のカテゴリーで別々の運用がなされてきたといっても過言ではありません。
マルチ3構造科学拠点事業では、1)マルチプローブを存分に駆使して、2)センチメートルからナノメートルまで多階層のマルチスケールで構造解析をシームレスに実施し、3)対象が生体分子か物質材料かを区別せず、高分子もしくは低分子であるといったカテゴリーも設けない構造解析を実施します。本来、物質や分子を見るという意味では生物も無生物も関係なく、Google Earthのように街中であっても山岳地帯であっても区別なく、見たいところを見たいスケールで見ることができるマルチターゲットな構造研究が実施可能なはずです。今まで見えなかったものが見えてくることにより、これまでスケールの違いにより合わなかったものが、スケールを広げることで理解が深まるといった展開を進めていきます。
さらに本事業の展開により、生命科学と物質科学の壁が取り払われたシームレスな構造科学拠点が創成され、新たな融合型研究への発展が期待されます。大学共同利用機関との共同利用・共同拠点連携ネットワークが一層強化され、これまでの共同研究では実施の難しかった生命科学研究と物質科学研究の共同研究が活発になり、既存の枠組みを超えたマルチ3構造科学を実施できる学際研究へと発展させていきます。単に構造解析するだけでなくOpen Scienceを志向する研究機関として、データベース化やAIを用いた機能・構造予測研究への展開を目指します。